新型コロナウイルスワクチンについて

 当クリニックでは、新型コロナウイルスワクチン接種に関して、行政からの依頼がありましたら協力予定ですが、まだ詳細に関しましては決定しておりません。決定しましたら、ご案内いたします。

【新型コロナウイルスワクチンについて】

1.今までにない新しいワクチン:mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン

このワクチンはこれまでのワクチンとは異なり、人体にコロナウイルスの遺伝子の一部を入れて、この遺伝子からコロナウイルスの一部のタンパク質が作られ、これに対する免疫応答を活性化させるものです。このワクチンは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こす、ウイルス表面のスパイクタンパク質の遺伝情報を含んでいます。そのため、接種すると、mRNAの情報に基づいてヒトの細胞表面にスパイクタンパク質が形成され、ヒトにとっては異物であるこのスパイクタンパク質を認識した免疫系により抗体が作られることで、本物のウイルスが侵入しようとしてもブロックされ、感染を防御するという仕組みです。
米ペン・ステート・ヘルス・ホーリースピリット医療センターのMohammad Ali氏は、「新型コロナウイルスワクチンは生きたウイルスを含んでいない。スパイクタンパク質が感染を引き起こすことはない」としています。また「ワクチンの安全性と有効性は極めて高い」と述べ、インフルエンザワクチンの有効性が一般に40~60%であるのに対して、新型コロナウイルスワクチンの有効性は94~95%であると説明している。

2.ワクチンの種類・接種方法:

厚労省は、ファイザー製以外のCOVID-19予防ワクチンについても、「先行接種」を実施する方針です。現在、ワクチン確保の見通しが立っている計3社それぞれで先行接種の実施を想定しています。

接種方法は、日本では一般的に行われている皮下注射(欧米では筋肉注射が多い)ではなく、筋肉注射で、3週間間隔で2回接種予定です。対象年齢は16歳以上になる予定です。

3.ワクチンの保管・輸送:

同ワクチンは氷点下75℃での保管が必要なため、厚労省は先行接種の対象病院には超低温冷凍庫(ディープフリーザー)を配置します。超低温冷凍庫は、先行接種に続く形で実施する医療従事者高齢者らを対象にする「優先接種」や、その後の「一般接種」での活用も視野に、「先行接種」での活用後も地域におけるワクチン接種の拠点の一つとして活用するなど、協力を求めています。

4.ワクチンの効果

開発元の米製薬ファイザーなどは「95%の予防効果」としています。4万人を二つに分け、ワクチンと偽薬をそれぞれ注射する臨床試験で、発症を防ぐ効果を検討しました。注射後、コロナを発症した170人中162人は偽薬の人で、ワクチンを接種したの人は8人でした。接種で発症リスクが95%減ったと評価された。65歳以上でも94%超と報告しています。またモデルナ社のワクチンの臨床試験(治験)はアメリカで3万人が参加し、半数にはワクチンが2回、4週間空けて投与された。残りの半数は偽薬が接種されました。今回、COVID-19の症状が出た95人について分析すると、ワクチンが投与されたのは5人だけで、90人は偽薬が与えられていました。モデルナは、ワクチンが94.5%の人を守っていると報告しています。COVID-19の重症を示した人は11人いたが、ワクチンが投与された人は含まれていなかったとしています。どちらも治験は続いており、最終結果は変わる可能性はあります。またイスラエルでは国民の約50%が接種を終了し、そのうち新型コロナウイルスに感染したのはわずか0.01%(1万人に1人)と、有効性が確認されています。専門家は全体人口の約60~70%がワクチンを打てば集団免疫が形成されると予想しています。

5.妊婦に対するワクチン接種

厚生労働省によりますと、審議会で承認が了承されたファイザー社の新型コロナウイルスワクチン妊婦ほか、脆弱(ぜいじゃく)な高齢者も個別に医師の判断を仰いだうえで接種可能とするということです。日本産科婦人科学会の見解としては、「中長期的な胎児や新生児への安全性は確立していない」としながらも「妊婦をワクチン接種対象から除外しない」と曖昧な言い方になっています。ただし「妊娠12週未満の妊婦への接種は避ける」ことは明言しています。妊婦に接種しても安全だと言えるだけの十分な情報が無いというのが現状です。

6.新型コロナウイルスに感染した方のワクチン接種は?
 米・CDCは、COVID-19の罹患歴がある人にもワクチン接種を勧めています。感染後、ウイルスに対する免疫がどの程度持続するのかが明確になっていないからです(この場合1回の接種で良いとしている国もあります)。

7.ワクチンの副作用

米国で2020年12月に初回投与されたPfizer-BioNTechのCOVID-19ワクチン接種189万3360回で、21例(11.1例/100万回)にアナフィラキシーが発現し、そのうち71%は15分以内に発症したことを、米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年1月6日に発表しました。そのうち、アナフィラキシーを含む重度のアレルギー反応の可能性がある175例を調査したところ、これらのうち21例(11.1例/100万回)がアナフィラキシーと判断され、うち17例はアレルギーまたはアレルギー反応の既往があり、そのうち7例はアナフィラキシーの既往がありました。投与から症状発現までは15分以内が21例中15例(71%)、15〜30分が3例(14%)、30分を過ぎて発現したのは3例(14%)でした。治療については、21例中19例(90%)がアドレナリン(エピネフリン)で治療され、21例中4例(19%)が入院し、17例(81%)が救急科で治療を受けました。その後の情報が入手可能な20例全員が回復もしくは退院しています。
また米国で2020年12月~2021年1月に初回投与されたModernaのCOVID-19ワクチン接種404万1396回で、10例(2.5例/100万回)にアナフィラキシーが発現し、9例は15分以内、1例は45分後に発現したことを、米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年1月22日に発表しています。副作用としてごく一部の人に重篤なアレルギー反応が生じることがあります。そのため、米疾病対策センター(CDC)は、新型コロナウイルスワクチンに含まれる成分に対してアレルギー反応が生じたことのある人は、このワクチンを接種するべきではないとしています。また、他のワクチンに対してアレルギー反応が生じたことのある人は、医師に相談することを勧めています。その一方で、ワクチン以外のアレルギー(食物、ペット、季節性アレルギーなど)のある人は、このワクチンを接種しても安全であると述べています。その他、注射部位の腫れや痛み、発熱、頭痛、筋肉痛などの副反応が起こることがあるが、一過性のものだと報告しています。

8.ワクチンを接種すべきではない方 

 発熱している人や重篤な急性疾患にかかっている人、過去に同様の成分の薬で重度のアレルギー反応が出たことのある人、薬剤でアナフィラキシーショックを起こした既往のある方などは効果が弱まったり症状が悪化したりする可能性があることから、接種はしないほうがよいと考えられます。

9.ワクチン接種のスケジュール

 最初のワクチンは、ベルギーのブリュッセルから全日本空輸便で12日に成田空港に到着しました。厚労省が14日に正式承認した後、まずは医療従事者1万~2万人を対象に、首都圏や大阪府、兵庫県、福岡県、愛知県など全国約100カ所の病院で先行接種する予定です。その後下記の図のような接種計画になっています。接種場所は、集団接種や地域の医療機関で接種する方法を現在検討中とのことです。

 

カテゴリー: お知らせ   パーマリンク

コメントは受け付けていません。