花粉症とその対策

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【花粉症とは?】
花粉症とは、植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされ、発作的にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出現するアレルギー性疾患です。花粉症と言えば、今や国民病とまで言われていますが、意外な事に、花粉症は戦後になって初めて報告された新しい病気です。日本では1960 年代からわずか50 年間で激増(特にスギ花粉症)し、現在では国民の4人に1人、20%がスギ花粉症であると言われています。またスギ以外にも国内では花粉症を起こす植物はおよそ80 種類もあり、季節も冬以外1年中に及びます。
【花粉症はどうしてこんなに増加したのでしょうか?】
では、どうしてこんなに花粉症が増加したのでしょうか?様々な原因がありますが代表的な原因は以下のようなものです。
①スギ花粉の増加:戦後に大量植林されたスギが伐採されず、開花適齢期を迎え、さらに地球温暖化の影響も受けて、春の花粉飛散量が増加しています。
②排ガス・大気汚染:排気ガスなどで汚染された大気の多くの微粒子が人間の体内に抗体を産生しやすく、花粉症の発症を促進しています。また舗装道路の増加に伴い、一度地面に落ちた花粉が再び舞い散ることも原因として考えられます。
③食環境の変化・不規則な生活リズム:高タンパクや高脂肪の食生活を続けていたり、不規則な生活リズムやストレスの多い生活も、アレルギーを起こしやすくしている要因と考えられます。
④住宅環境の変化:住宅やオフィスの近代化に伴い、通気性の少ない住宅が多くなり、ダニ・カビの温床を作り、アレルギーを起こしやすくなっています。
【花粉症の症状】
花粉症の3大症状は①鼻水・くしゃみ、②鼻づまり、③目のかゆみ、です。その他に喘息様の咳が出たり、頭痛・頭重感、だるさ、睡眠不足、集中力の低下、鼻出血、皮膚のかゆみなどを起こすこともあります。
【花粉症の診断】
花粉症の診断は症状と問診からほぼ診断ができます。さらに原因物質を同定するためには、血液検査で、血液中のアレルギー物質(特異的IgE(RAST))を測定する方法が良く行われます。
【花粉症の治療と予防】
残念ながら現在のところ根治療法(根本的に治す治療)は開発されていません。そのため症状を軽くする治療が主になります。一般的には抗アレルギー剤の投薬が基本です。さらに点鼻薬や点眼薬を併用するのが最も一般的な治療です。できれば花粉の飛散時期より1週間前からの服用が良い。
【花粉症の最新治療】
以下のような新しい治療法が開発されつつありますが、まだ完全に治療できる方法は残念ながらありません。①減感作療法(現在ある治療法の中では唯一の根本的治療で、花粉から抽出したアレルギー物質を注射して抗体を作る方法で、有効率は40~80%)、②レーザー治療(患部にレーザーを照射して鼻粘膜を焦がして、反応を起こさないようにする)、③DNA ワクチン療法(まだ研究中)、④ペプチド減感作療法(臨床応用が始まっており、近い将来治療を受けることができる)などです。

文責 大畑 充

カテゴリー: 医療全般   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

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